紙本著色 法嚴寺縁起 保存修理事業

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紙本著色 法嚴寺縁起 保存修理事業

環境・地域・文化 紙本著色 法嚴寺縁起 保存修理事業 【文化遺産保全基金】寄付募集プロジェクト

京都山科・牛尾山法嚴寺に古くから伝わる絵巻を修理し、
もっとお寺のことを皆様に知っていただく一歩を踏み出します。

達成率

62

達成金額:
2,329,750
目標金額:
3,780,000

残り29811時間15

プロジェクト概要

実施期間

2022年10月1日〜2023年9月30日

目標金額

3,780,000 円

寄付方法

寄付の申し込みをこちらからお願いします。
http://www.plus-social.jp/donation.cgi?pjid=134
        ⬇︎
・クレジットカード
・郵便振替 京都地域創造基金寄付口座 00930-4-312262
      通信欄に「法嚴寺」と記入ください。
・銀行振込 京都信用金庫 本店 普通 1993147 公益財団法人京都地域創造基金
      可能であれば「ホウゴンジ」と付記ください。

法嚴寺について

 
こんにちは。
わたしは、ムササビです。

京都市山科区の牛尾山法嚴寺(ホウゴンジ)境内にある巣箱にすんでいます。

 
ところで、みなさまは、法嚴寺について、
どれくらい、ごぞんじでしょうか。

「清水寺の奥の院」とも称されるよう、
深い山の中に、静かにたたずんでいます。
そこには携帯の電波も届きません。

開祖から、もうかれこれ、1250年以上が経つ古刹で、御本尊は十一面千手観音菩薩様です。
それでは、くわしくは、古くからお寺に伝わる、「法厳寺縁起」をごらんになっていただきます。

 
と言いたいところなのですが、

この絵巻は、残念ながら、本堂の建物とおなじく、あちこちが傷んでいて、
あまり広げてみることができません。

 
全部を広げると、7メートル以上にもなり、
完全に解体しての修理が終了するまでには、約2年がかかります。

お寺にとっては、とても大切な文化遺産なのですが、
修理をしようにも、文化財の指定を受けていないため、十分な補助金をいただくことが難しく、
民間財団様からの助成も、長い順番待ちの状態が続いています。

そこで、何かムササビにも出来ることを、と考えた結果、
この度、ご縁がありました、公益財団法人 京都地域創造基金様を通じ、
修理のための費用3,780,000円について、
「文化遺産保全基金」という、はじめての枠組みで寄付を募集することになりました。


みなさまからの寄付が無事に集まり、修理が開始となりましたら、
途中の様子は、このホームページ上で、ムササビからお知らせするようにします。

なお、みなさまからの寄付金は、「寄付金控除等の税制上の優遇措置の対象」となりますので、
詳しくは、こちらをご覧下さい。
https://www.plus-social.jp/zeiyugu.html

最後に、
令和4年10月17日(月)の13:30からは、秋季御開帳・大般若転読法要が行われますので、
みなさま、この山寺まで、ぜひ一度、足を運んでみて下さい。

以上、ムササビでした。

対象文化遺産の概要

紙本著色 法嚴寺縁起 1巻
紙本著色。巻子装。
表紙、藍地唐花唐草文金襴。
見返し、金箔押紙。
軸首、水晶製撥軸。

本紙寸法 縦:27.0cm 横:723.9cm

対象文化遺産の地域・芸術・学術的な価値などについて

牛尾観音法嚴寺の由緒を記す絵巻で、前半は延鎮の行状および当寺の創建を、後半は当寺の霊験を記しています。
創建について扱う冒頭については、同じく延鎮の創建になる清水寺の縁起を基本的に踏襲しており、これに当寺の霊験譚を付加したものであると理解されています。
制作時期はさしあたり江戸時代前期とみられます。

清水寺の縁起は時期別に数種知られており、本作詞書もその検討において学術的価値を有しています。
特に東京国立博物館所蔵の土佐光信「清水寺縁起」(永正十七年:1520)とは図像が一致する箇所があり、土佐派の図像が波及する一端を示す点も興味深いです。

長い歴史を持つ本寺が清水寺の縁起を踏襲しつつ独自縁起を形成している点が特徴的であり、
また当寺をめぐる信仰を伝える基礎的史料として意義深い作品です。

対象文化遺産の現状と修理の必要性

本紙には折れ皺が多数発生しており、料紙の浮きも認められ、紙の繊維の摩耗、毛羽立ちや汚れが見られます。
絵具は膠着力が低下しており、剥離、剥落が進行するなど、以下、詳細のとおり、極めて危険な状態にあります。

 ・膠着力の低下及び、経年の巻き解きが原因と考えられる絵具層の剥落、粉状化が見られます。
 ・接着力の低下により、本紙料紙の広範囲で糊離れが発生しています。
 ・全体的に縦、横、斜め方向に強い折れが認められます。折れ山部分では料紙の擦れ、糊浮きが見られ、亀裂、欠失に進行している箇所が確認出来ます。 
 ・本紙天地の端に、擦れによる欠失が認められます。また本紙の一部には、天地を切り取った痕跡が見られます。 
 ・第一紙において、焼焦による本紙料紙の欠失が確認出来ます。
 ・本紙詞書において部分的に黒変している箇所が認められます。
 ・軸巻に料紙の折れ及び、皺、欠失等の損傷が見られます。
 ・表紙には経年の使用により糊浮きが発生しており、絹繊維の脆弱化が進行し一部に欠失が発生しています。
 ・本紙詞書の墨の一部に滲みが確認出来ます。
 ・本紙欠失箇所の一部に補筆が施されています。 

修理内容の概要

・本紙全体の汚れの除去を行い、膠水溶液により絵具層の強化を行います。
・肌裏紙の除去は、本紙にできるだけ負荷を掛けないよう表打ちを施し、必要最低限の湿りで少しずつ肌裏紙を除去する乾式肌上げ法にて行います。
・過去の修理で施された本紙料紙欠失部分の補筆は、所有者、有識者と協議の上、除去の是非を決定します。
・本紙の天地に足し紙を施します。
・表紙及び、見返し、軸巻紙を新調し、軸首は元のものを再使用します。
・本作品に著しく発生している折れ等の損傷を防ぐため、新たに桐製太巻添軸及び桐製屋郎箱を新調します。

修理のスケジュール

1.写真撮影を行い、本紙の状態を調査します。
2.膠水溶液にて絵具層の剥落止めを行ないます。
3.巻子装を解体し、本紙の旧裏打紙を肌裏紙を残して除去します。
4.本紙の汚れを除去します。
5.布海苔を用い、養生紙にて表打ちを行ないます。
6.旧肌裏紙及び、旧補修紙を除去します。(旧肌裏紙、旧補修紙上の補筆については所有者、有識者と協議の上、除去の是非を検討します。)
7.調査に基づいて本紙と同質の補修紙を作製し、料紙欠失箇所に補紙を行ないます。
8.本紙の天地に足し紙を施します。
9.本紙の色合いに合わせて、染薄美濃紙にて肌裏打を行ないます。
10.表打ちの養生紙を除去します。 
11.美栖紙にて増裏打を行ない、仮張りをします。
12.折れ伏せを入れ、折れを直します。 
13.美栖紙にて中裏打を行ないます。
14.混合紙にて総裏打を行い、仮張りし充分な乾燥期間をおきます。
15.表紙及び、見返しを新調し、肌裏を打ちます。
16.補紙の箇所に補彩を行ないます。
17.軸巻紙を本紙料紙に合わせて作成し、本紙同様の裏打ちを施します。
18.表紙、見返しを合わせて表紙の形に仕立てます。
19.本紙に軸巻紙、表紙を継ぎ、軸首は元使いし、中軸、八双、紐等を新調し、巻子装に仕上げます。
20.桐製太巻添軸、桐製屋郎箱を新調し、羽二重の包裂に包み納入します。

 1ヵ年目:1~5及び6の50%を施工
 2ヵ年目:6の50%及び7~20を施工

活動状況

秋季御開帳・大般若転読法要 ご報告2022.11.21

こんばんは。
 ムササビは、夜行性なので、昼間は、京都市山科区の牛尾山法嚴寺(ホウゴンジ)境内にある巣箱の中で過ごしています。
 令和4年10月17日(月)の13:30からは、「秋季御開帳・大般若転読法要」が法嚴寺の本堂で執り行われました。
 お寺の庫裏には、京都地域創造基金様によるブースを設置し、複数の出席者の方から、寄付のご賛同をいただくことが出来ましたので、ありがとうございます。
 当日は、同基金理事の藤田様、専務理事の可児様も法要に参列し、加持を受けていただきました。
 さて、改めて、鏡山次郎 (2015)『音羽の山寺-牛尾観音 法嚴寺史』つむぎ出版の260ページには、以下の記載があります。
 江戸幕府が開かれ、世の中が安定を見せてくる中で、法嚴寺の復興も、ようやく進むようになってくる。天正18年(1590)の豊臣秀吉による復興以来、「後年又々火災に遭い、そのままで幾年間を経たのかは不明」(『法嚴寺由来』)という状況であったが、延宝元年(1673)、ようやく寺門復興に向けた調査が始められることとなる(『法嚴寺由来』『同略伝記』)。この頃の法嚴寺の復興に向けた最初の取り組みは『縁起』の作成であった。
 そのような歴史の中で制作された「法嚴寺縁起」の保存修理を行うことで、まずは、このお寺のことを知っていただき、本堂の整備へとつなげていこうと、ムササビは、考えています。
 なお、みなさまからの寄付金は、「寄付金控除等の税制上の優遇措置の対象」となりますので、詳しくは、こちらを、ご覧下さい。
【リンク:https://www.plus-social.jp/zeiyugu.html
 最後に、毎月17日、13:00より、法嚴寺の護摩堂にて護摩法要を厳修していますので(参加はご自由となります)、みなさま、この山寺まで、ぜひ一度、足を運んでみて下さい。
以上、ムササビでした。

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