善応院殿(信長義妹)像軸 保存修理

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善応院殿(信長義妹)像軸 保存修理

環境・地域・文化 善応院殿(信長義妹)像軸 保存修理 織田信長の義妹である善応院の肖像画の修復を!

貴重な文化遺産が経年の劣化により修復を必要としています

達成率

0

達成金額:
0
目標金額:
1,500,000

残り38620時間59

事業実施団体

臨済宗 相国寺塔頭 光源院

プロジェクト概要

実施期間

2026年3月15日〜2027年3月31日

目標金額

1,500,000 円

寄付方法

寄付の申し込みをこちらからお願いします。
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・クレジットカード
・郵便振替 京都地域創造基金寄付口座 00930-4-312262
      通信欄に「光源院」とご記入ください。
・銀行振込 GMOあおぞらネット銀行
      ムクドリ支店 8138423
      ザイ)キヨウトチイキソウゾウキキン コウゲンイン

※いずれの方法も必ず事前にお申し込みをよろしくお願いします。
(領収書の発行や、適切に皆様のご寄付を寄付先へお届けするために必要です。)

対象文化遺産の概要

対象となる文化遺産は、光源院所蔵の善応院肖像画である。
絹本著色、本紙縦 89.5 ㎝・横 37.9 ㎝の掛幅装である。白装束の尼僧姿で上畳に立膝で座し、右手には念珠を持つ。表具には織田木瓜紋があらわされる。

像主の善応院(名前不詳、?~1604)は、安土桃山時代、尾張国知多郡木田城主であった荒尾善次の娘で、最初、織田信長の弟であった織田信時と婚姻したが、死別し、後に信長の乳兄弟であった池田恒興と再婚した。

恒興と善応院との間に生まれたのが、豊臣秀吉や徳川家康に仕え、「西国将軍」と呼ばれた姫路城主池田輝政であった。彼女の兄弟として、後に池田家に仕え家老となった荒尾成房(米子城代)や隆重(倉吉)がいる。
池田輝政は、母の死後、相国寺の敷地内に菩提を弔うため善応院を建立して追善供養を行った。この前後に肖像画も作成され善応院へ奉納されたものと思われる。

善応院は、明治になると廃寺となり、隣接する光源院に合併されたため、肖像画も同院が引き継いで保管している。

地域・芸術・学術的な価値などについて

光源院所蔵「善応院殿像(軸装)」は、善応院殿を描いた肖像画であり、善応院並びに同院の供養の歴史を今日に伝える重要な文化遺産である。
箱蓋表書に「善應院殿真影」と明記されており、単なる人物像ではなく、塔頭寺院での追善供養の対象としても扱われていたと考えられ、史料的価値が高い。

光源院には善応院殿の肖像画の他に、位牌と墓が現存する。また善応院殿の出自である荒尾家の弟2人の墓も祀られている。
荒尾家、 池田家、 そして織田家の祖とも言える善応院殿を祀る寺院に足利家歴代将軍の菩提寺が存在する山城相国寺内が選ばれたのは、地域的価値を考察するに重要な寺院である。
また、肖像画裏面墨書には位牌前後面の文言と同一の字句が書かれており、軸装制作年推察の一つの手掛かりである。

前述の通り、軸装の画面中央には左膝を立てて正面を向く善応院殿の姿が描かれている。
相国寺では左膝を立てて読経する様式を胡跪(こき)といい、全体的に簡潔で静謐な構図、抑制の効いた彩色である。また衣文の面部には花の紋が見られる。当時の仏画・肖像画技法が反映されており、禅宗寺院に伝来した作例として芸術的にも評価できる。

 

表装には、総縁に印金綾の織田木瓜紋が施されている。
善応院殿は荒尾善次の娘で、初め織田信長の弟信時に嫁いだが死別し、その後信長の命により池田恒興と再婚した。善応院殿は池田家と荒尾家、更に織田家を繋ぐ重要な人物である。信長は織田木瓜紋を使用しており、制作当初あるいは伝来の過程で、相応の格式をもって扱われてきたことが推察される。

学術的には、本軸は善応院殿の存在やその位置づけ、善応院や光源院の歴史、さらには地域社会における信仰・供養のあり方を考察する上で重要な一次資料である。
修理に際して行われる画絹・絵具・表装裂・技法の調査および記録は、制作年代や制作背景を検討するための基礎資料となり、今後の寺院史・宗教史・美術史研究に資する成果が期待される。

現状と修理の必要性

本作品は全体的に経年の劣化による損傷が見られる。
特に絵具が施された箇所は著しい横折れが生じており、本紙料絹に至る亀裂へ進行している箇所や、絵具層が剥落し欠失した箇所が散見される。上畳の右下部分は本紙料絹ごと絵具層が欠失してしまっており、裏打紙が露出している状態である。また本紙全体には白濁した痕跡が見られ、鑑賞性を低下させている。

表具全体に暴れが生じており、発装付近には皺が見られる。表装裂地には虫損と推察される欠失が複数生じており、風帯は折れ箇所の裂が剥離してしまっている。

これらの損傷を処置せずにおくと、裏打紙の糊浮き、絵具層の剥離・剥落が進行し、その多くが失われる危険性が高い。
従って、裏打紙を全て打ち替える完全解体修理を行うことが必須である。

修理内容の概要

解体にあたり、絵具層を保護するために剥落止め等の処置を施し、表打ちによる養生を行った上で、本紙料絹にできるだけ負荷を掛けないよう、乾式肌上げ法にて旧肌裏紙の除去を行う。

本紙料絹の欠失箇所には、補修絹を用いて補絹を行う。
旧肌裏紙の除去後、新しい裏打紙を打ち(肌裏打ち・増裏打ち)、仮張りをする。本紙の折れた箇所や今後折れが予想される箇所に折れ伏せを入れ、折れの発生を予防する。

表装裂地及び軸首は修理し、調整した上で再使用する。表装裂地は修理完了後、裏打ちを行い本紙と合わせて掛軸装の形に付け廻しを行う。その後全体に裏打ち(中裏打ち・総裏打ち)を施して十分な乾燥期間を置く。補絹の箇所に補彩を施し、元の軸首と新調した中軸、発装などを取り付け、掛軸装に仕立てる。

活動状況

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