セカンドハーベスト京都さんのフードバンク活動の現状をインタビューしました

活動内容 詳細

活動内容 2021.9.10

セカンドハーベスト京都さんのフードバンク活動の現状をインタビューしました セカンドハーベスト京都さんでは主にフードバンク活動をされていますが、人手や食料不足・食料の保管場所の確保の問題を抱えながら食料を必要とするご家庭への支援活動をつづけられています。
支援物資の食料を集めるだけでは栄養バランスのとれた食料を届けることが出来ないため、様々な工夫を重ねておられます。
活動の実態を理事長 澤田政明さんにインタビューをさせていただきました。

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写真は食料の仕分作業をおこなっていただくボランティアさんと右下は理事長の澤田政明さん

====主に京都府内および近隣市町村でフードバンク活動をされているセカンドハーベスト京都さんですが、「コミュニティ食堂(こども食堂)」も運営されており現在の活動状況を教えていただけますか。
(セカンドハーベスト京都さんでは地域の方の居場所またはコミュニケーションの場としているため「コミュニティ食堂」と呼ばれています)

澤田さん:3年以上コミュニティ食堂をおこなっていますが、一般のイメージとは違って、困っている子どもたちがほとんど来ていない実態があります。
メディアで子どもの貧困対策として「こども食堂」を打ち出したため「こども食堂」へ行く子どもたちは貧困家庭のイメージがついてしまい、親に行ってはいけないと「こども食堂」へ行くことを止められている子どもたちがいるため「お母さんに内緒で来てるん…」と親御さんに内緒に来ている子どもたちもいます。他の「こども食堂」を行っている団体も実態はわからないけれども、困窮している子どもたちはごく少数なのだろうと聞いています。
しかし京都府内には130ほどの支援団体があり9割5分は困窮者支援にはなっていないだろうと感じていますが、「コミュニティ食堂」(こども食堂)には意義があります。
それは子どもの居場所・地域の方のコミュニティのためになるから支援を続けたいと思っています。
しかしこれだけ「コミュニティ食堂」が増えたとはいえ、学校の先生からは夏休み明けに痩せて登校するということを何度もお伺いすることがあったため、困っている世帯に支援が届いていなんだということがわかりました。
私たちは困っているところにピンポイントで届けたいと思っていたため、先行している団体の中で2016年から「こども支援プロジェクト」を行っているフードバンク山梨さんを参考事例に京都でも2018年から春休み、夏休み、冬休みに食品を届けることを始めました。

===こども食堂」はイメージが先行してしまい本当に支援を必要とされている子どもたちに届いていないという実態に驚きました。しかし、それでもなんとか届けるために行われている「こども支援プロジェクト」とはどのようなプロジェクトでしょうか?」

澤田さん:「こども支援プロジェクト」は低所得の子育て世帯である「就学援助受給世帯」を対象としており、おおよそ半数以上はシングルマザーのご家庭です。
 パートで働いておられお子さんが熱を出したり怪我をした場合に急に仕事を休まざる得ない状況になったり希望のシフトに入れず収入が減るなど、こういった状況で所得が不安定で十分生活保護基準を満たしているが受けておられないことが多いです。 そのため各小学校から就学援助対象の世帯に対して「こども支援プロジェクト」の案内をしてもらい、我々に直接申し込んでいただき食品を届けるしくみになっています。
京都府下で就学援助を受けておられる世帯は約21,000世帯あり、そのうち私どもの支援を必要とする家庭は約5,460世帯(25%)あると考えています、直近で7月には530件のご家庭へ出荷しようやく10%近くになってきました。
春休み・夏休み・冬休みの間をカバーするため、子どもたちだけで留守番をしている間に食事をするためには簡単に調理できるカップラーメンなどを提供したいが、限られた箱に詰めるためカップラーメン1つのスペースにチキンラーメン2つ入るため少しでも一度で多くの食品を配れるように工夫しています。
また寄贈品だけでは賞味期限や種類の問題があり食のパッケージとしてはバランスが悪くなります。特に必要とされる「お米」「牛乳」「コーンフレーク」など4割以上は購入品で賄いバランスを整えています。

===まだまだ食品が足りていない状況でとても色々な工夫や配慮をされているのですね。
しかしこのプロジェクトへ関わっていただける人材や食品を確保するための倉庫など必要とされることが多くあると思いますが、今後「こども支援をプロジェクト」続けていくためにはどのような課題がありますか?

澤田さん:「こども支援をプロジェクト」では小学生を優先的に支援していきたいと考えております。
現在支援できている数は530世帯ですが来年度は700世帯を目標にしています。それでも必要としている世帯全体の12%にも満たない数字です。
しかし今後は支援する世帯数を増やしていきたいと考えておりますので、さらに食品を確保しなければなりません。確保する食品が増えると現在の倉庫では保管場所が足りず新たに倉庫を探しております。
また、食品を仕分けするボランティアやプロジェクト自体を回していく常勤の人材、定期的に寄贈していただける食品も必要です。現在当団体の常勤スタッフは私ともう一人なんですが現状では私に何かあればこのプロジェクトは止まってしまうので人材育成に関しては急務だと思っています。




===本当にギリギリな状況の中で「こども支援プロジェクト」を続けておられるのは素晴らしいです。しかし、これから「こども支援プロジェクト」を継続されるにはさまざまな理解や周りの協力が必要だと思いますが今後どのようなことに期待されますか?

澤田さん:プロジェクトを続けていくにまだまだ資金と人材が不足している状況にあります。特に公的な資金援助や一般企業から安定した資金提供や食品提供等お願いし基盤を支えていただけたらと思っています。
そしてまだまだ認知されていないことが多いので1人でも多くの方に知っていただけるように広報活動のお手伝いをしていただける企業やメディアなどにも期待をしたいとおもいます。

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